妙勝寺の井戸のこと

 妙勝寺の井戸の話。妙勝寺の井戸は、かつて旧念来寺墓地の一段低いところに滔々と流れる地下水路で、まだ旧念来寺墓地に水道を引いていなかった頃は、皆さん階段を数段おりて、井戸の水を汲んでお参りに活用していただいていました。その頃は墓地の草取り掃除に来ると、井戸で冷やしたスイカを食べたり、麦茶やジュースをいただいたりしたものでした。今はシルバーさんにお願いしているお墓掃除ですが、私の小さい頃(半世紀も前ですね)は虫に刺され、日焼けしてボロボロになりながら休日に動員される草取りがつらかった記憶があります。それでも大家族総出で、我々の友人までバイトでお願いしながら行い、井戸水で冷やしたスイカを食べたのも夏の思い出です。

 その井戸水は、現在の本堂を新築した際(来年早くも30年目となりますが)、現在のように地表面に出てくる形に改修いたしました。以前は1年を通し湧き出し、松本の名水にも選ばれた「妙勝寺の井戸」ですが、ここ数年は10月~5月の間、水が出なくなってしまいました。そうかと思うと、先日のダブル台風のように大雨が降ると、排水しきれず駐車場や寺院前の市道に溢れ出す始末。なぜ、そんなに不安定になってしまったのか。不安定になった時期を考えると理由が予測できるのですが、科学的な根拠はありませんので、申し上げません。昔の井戸を懐かしみながら、昭和の頃の墓地を思い出していました。

                  

 松本にいらっしゃる観光客が増加していますが、市内には外国からの観光客の方が多いということはお気づきになっているかと思います。ましてや、本寺の鐘楼の見学に見えるのは、ほとんどが外国の方。昨日はカナダの方、今日は流ちょうに英語をしゃべってくださるスペインの方でした。思わずワールドカップの話をしてしまうのは最近の傾向ですが、本寺の鐘楼を訪れる方はあまりサッカーには興味のないご様子。みんながワールドカップにのめり込んでいるように見える日本人とは異なるようです。東京に2日滞在した後松本を訪れたというカップルの方は、町のど真ん中にありながら、静かで、涼やかな風が吹き、荘厳な鐘楼とだだっ広い墓地に、井戸の流れが聞こえる雰囲気が、とっても神秘的なんだそうです。鐘楼の中を見学していただけないことを謝りましたが、この雰囲気が味わえただけで満足しているのだとのこと。こちらも偶然居合わせたときに拙い英語で会話するだけではなく、何か考えなくてはいけないのかもしれません。でも、やりすぎると、おっしゃっていた「雰囲気」を壊してしまうかも。そのあたりを考えた「何か」を考えてみたいと思います。アイディアのある方、メールください。ただし、コンサルタント料、アイディア料はお支払いしませんが。

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